エッセイ

利便性を求めて板橋区から千代田区へ引っ越してみた

東京へ来てはや3年。

俺は相変わらず職を転々とし生活も不安定を極めている。

このままではいけない。

そう思うのだが、一旦仕事は続かなさそうだ。

何か気分を変えよう。

もしかすると周りの環境を変えれば自分の意識も変わるかもしれない。

そう思って俺は引越しを決意したのだ。

 

数か月前、俺は東京都板橋区の大山というところに住んでいた。

大山にはハッピーロードという有名な商店街があり、そこにはバラエティー豊かな飲食店が立ち並び生活必需品もすべてそろう。

唯一、家電量販店が近くにないのが欠点ではあったが。

家賃は58000円、木造、ユニットバス。

隣にはインド系のカップルが住んでおり、夜中に爆音で民謡のようなものを流しており、

その度にインターホンを鳴らして注意喚起をしていた。

 

次引越しすならば必須のものは「鉄筋コンクリート造」「バストイレ別」

そして一番重要なのは隣が外国人でないこと。

エリアを変えればいい。エリアを変え、家賃をあげれば民度の低い外国人を排除でき、俺は夜中騒音にも悩まされることなく睡眠ができる。

ただどこにいけばいいのか見当がつかない。

東京はどこもある程度都会だ。

板橋から一番近い都会といえば「池袋」になるがなんとなく嫌なので除外。

次の候補は新宿かもしくはその界隈だろうか。

しかしその前に仕事を決める必要があった。

なにせ俺は絶対に電車に乗りたくないのだ。

フルリモートでなまりきったこの身体に東京の満員電車は辛い。

そしてどうせ引越しするなら補助が出るところにしようと不動産業で探すことにした。

何社か受けてみて一番社長がやさしそうなところにお世話になった。

会社は神田。不動産賃貸業である。

最初の月は板橋区から通っていたので電車が本当に苦痛だった。

しかしまた仕事をやめてしまってはこの引越計画も台無しだし、職歴もそろそろ納めていきたい年頃。

「電車通勤」これに耐えられるのは1か月までだ。。。

すぐに社長に引越ししたいという願望を伝えた。

賃貸仲介業を生業にしているのでもちろん仲介手数料は無料だ。

しかもどこの管理会社がいいのかということも先輩から教わり俺は物件を決めた。

俺は「神田」という縁もゆかりもない土地についに引越こすことになったのだ。

ただ神田というのは千代田区ということもありめちゃくちゃ家賃が高い。

1K20㎡で10万超えは当たり前だった。

当初7万円で収めようとしていたが、そもそも物件もなければ物件があってもシャワーがなかったり住めたものじゃなかった。

最終的に神田駅から徒歩7分の9万5000円の1kに決めた。

高いがしょうがない。なにせ隣は東京駅だ。

田舎に帰るのにもめちゃくちゃ便利だしまあ会社へも徒歩だし、利便性を考えればまあというところだ。

しかし数か月後にはその不動産の仕事も辞めてしまう。

働いているうちになんで俺が人の家を探さないといけないんだと思うようになってしまった。

こんな奴はお部屋探しに不向き、そして社会的にも害悪である。と判断した俺は退職を決意。

ただ、本当にいい社長で周りの人にも恵まれたのでそこは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 

また職探しか、、、、

前職は家賃補助もでており、家賃もあがったので次の職は初任給もある程度高いところにいかなければならない。

近所で仕事をさがしてみたがイマイチピンとこず。

そして数週間がたち俺は焦っていた。

かなり。

 

なんせこんな賃料に毎月追われることがないからだ。

正直仕事を辞めたことを少し後悔した。

俺は板橋に住んでいた当時の家賃58000円ということもありノリで仕事を辞めてもそこまで差し支えなかったが、

現在賃料95000円では話が変わってくる。

しかも重要なことに初めて気が付いた。

生活費がめちゃくちゃあがったのだ。

とにかく神田にはスーパーがない。

いや、正しくは庶民的なスーパーがない。

成城石井、まいばすけっと、肉のハナマサ。。。。

まあ生活できるがいわゆる割引や大特価!!など一切行わない悪徳チェーン店ばかり。

コストもさることながら一番許せないのはどこにも「生鮮食品がない」ということだ。

とにかく生魚が食べれない。これはストレスだ。

唯一肉のハナマサには刺身が置いてあるが、肉のハナマサと謳っている通り肉は充実しておりある程度おいしいが、刺身は臭すぎて食えたものじゃない。

板橋には素敵なスーパーがたくさんあったのに。。。。

板橋に帰りたい。心からそう思った。

よく考えれば神田なんぞ人間が住むところではないのだ。

ただのビジネス街であるし神田が職場だからといってわざわざ神田に住む奴は少数派。

電車が苦痛でなければ遠くから通っても何も問題ないのだ。

確かに利便性はよくなったが、俺は電車の通勤ストレスと引き換えに普段の生活の幸せを失ってしまった。

利便性や効率化だけを求めるとこうなってしまうのか。

科学の発展が人類を追い詰めるように。。。。。。

なんと深いのだろう。。。

INDEEDをみながらそんなことを考える夜であった。

 

ブログ村

-エッセイ

© 2025 GINGER.COM Powered by AFFINGER5